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教員の研究Pick up!

教員の研究Pick up! Vol.1
総合科学自然科学領域

教員小松田 沙也加

「摂動角相関法を利用して原子レベルの情報を得る」

まずは、自己紹介。

昨年度、ここ一関に赴任してまいりました小松田です。大学を出たばかりで、まだ学生気分が抜けきっていないのか(?)、教員としての日々の仕事に戸惑いの連続です。

私は秋田に生まれました。高校まで秋田県横手市で過ごし、弓道に打ち込んでいました。金沢大学理学部化学科に進学してからは、学部4年、修士課程2年を経て、博士課程に進みました。他の同級生と同じく就職をする道もありましたが、自分にとって打ち込めるものは研究しかない、と思い詰め、研究に没頭する道を選びました。それほど没頭することができる研究テーマに出会えたことは幸運でした。

私の研究。

原子レベルの局所構造を分光法という手法で解析し、それが物質の物性にどのような影響を与えているのかを見出す研究をしています。物質の性質や性能を評価する方法としては電気伝導度測定や硬さ測定などがありますが、私が調査しているのはもっと局所的な物質構造で、例えば「半導体材料に含まれるppmレベルの不純物が物質の中でどのように存在し、それがどれほど電気的および磁気的性質に影響を与えるのか」を調べるような研究です。

使用する手法は「摂動角相関法」と呼ばれる分光法の一種で、放射ガンマ線を検出する「シンチレータ」を使います(図1)。あらかじめ測定試料には少量の放射性核種、例えば111Inをドープ(添加)します。測定試料からはガンマ線が放出されますが、これをシンチレータで検出します。それぞれ90°の角度の位置に設置したシンチレータ―でガンマ線を同時計測し、ガンマ線の放出時間差と計数率の関係を解析すると、その物質特有のスペクトル(PACスペクトル)が得られ、これが物質内の原子レベルの局所構造について重要な情報を与えてくれるのです。

図2は酸化亜鉛ZnOに10-6~10 at.%の不純物Alを添加したものに111InをドープしたもののPACスペクトルを表しています。ちなみにZnOは化粧品顔料として使われている身近な材料ですが、近年、安価な酸化物半導体として注目されている材料です。半導体は、ppmオーダーの不純物が半導体物性を始めとする様々な物性に影響を与えるので、不純物が物質内のどのような場所に・どのような状態で存在しているのかを調べることは価値があるのです。


ちなみに、私の研究では放射線核種を利用しますが、健康に影響するレベルの放射線量ではないので、大丈夫ですよ。

最後に。

今年度は、担任も受け持っています(物質化学工学科2年)。担任をしていると、クラスが気になって、出張に行くのも躊躇してしまいますね。クラブ顧問は、吹奏楽部と茶道部を担当しています。大学の先生と高専教員の一番の違いは、クラブを受け持つかどうか、なのかもしれません。今のところ、部員とのコミュニケーションも良好で楽しくやっています。


学生の皆さんへ。いまは、勉強第一で頑張ってください。社会に出てからでも遊びはできますが、勉強はそうはいきません。仕事仕事で忙しい合間をぬって勉強するのは大変な努力が必要です。さらに、年齢を重ねると記憶力や集中力も落ちてきて、勉強の能率が上がらなくなることも・・・。皆さんはまだまだ若いので、スポンジが水を吸収するように知識を頭にインプットすることも可能です。「学生時代にもっと勉強しておけば良かった」と後悔しないように、今、勉強に打ち込んでください。かくいう私も、もっと勉強しておけばよかったと思う日々なのですよ。


私はまだ社会経験が浅く、皆さんに贈る珠玉の言葉を持っているわけではありません。ただ、教員の中では一番皆さんと年齢が近いので、皆さんと一緒に喜び、一緒に悩み、一緒に成長することができると思っています。これからも宜しくお願いします!。