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一関高専について

校長挨拶

〜多様性を尊重するから切り開ける未来〜

学校長 小林 淳哉

一関工業高等専門学校は、昭和39年に岩手県南部の一関市に設立され、中学校卒業後から5年一貫の準学士課程と、2年間の専攻科を設置し、一貫して産業を支える技術者を育成しています。今年は創立60周年の節目を迎えますが、私たちの教育の理念「明日を拓く創造性豊かな実践的技術者の育成」を実践するために、日本の高度成長、情報産業の発達、社会のグローバル化など技術者のニーズに対応して学科の新設や改組など体制を整備しながら技術者を育成してきました。


新型コロナウィルスによる感染拡大を乗り越えた世界には、まだ気候変動、少子高齢化、各地で起こる国際紛争など、解決への方向性を示さなければならない多くの課題があります。こうした課題の解決は人々や国々の協力・協調が必要です。そのとき、国籍、宗教、性別、障がいの有無、異なる考え方(少数派の意見)など、多様な違いがあるからこそ発展し、切り開ける未来があります。つまり多様性「ダイバーシティ」を尊重することが大切です。さらに、今日の社会の課題は技術者としても一つの専門性だけでは解決が難しくなっています。そこで一関高専は未来創造工学科の中に機械・知能系、電気・電子系、情報・ソフトウエア系、化学・バイオ系の4系を配置する教育体制としました。1年次は学科によらず必要になる共通基礎教育、2年次以降は4つの専門系のいずれかに進みます。これが「私は〇〇工学が専門」といえる自分の軸足となる工学分野になります。さらに高学年では、専門系を横断した3つの横断分野と系独自の4つの発展的分野について学びます。こうしたカリキュラムによって国際社会の一員として実践的な課題の解決に取り組める人財を育成します。


私たち一関高専がこの地にあることを見つめ、その使命として地域の発展、誇るべき文化を守り生活を支えていき、「一関に高専があってよかった」と思われ、親しみを持っていただける学校になるため、教育、学生支援、研究などの活動をより良い方向にする改善を継続します。すでに在学時からの起業により地域貢献に取り組む学生たちも生まれています。困難な時代だからこそ「一関発の技術者」としてチャンスの時代が到来しているといえます。


皆さまのご理解とご支援をいただきますようお願い申し上げます。



小林 淳哉  JUNYA KOBAYASHI 2024.4