SAR関連
(財)資源観測解析センター
 合成開口レーダ(SAR)
 資源探査のためのリモートセンシング実用シリーズ(5)

マイクロ波映像レーダー(Microwave Imaging Radar) レーダー地質 (Radar Geology) 合成開口レーダ(SyntheticAperture Radar) 実開口レーダ Radargrammetry測量技術、地形図作成
バンド名   周波数    波長 UHF  300-1000MHZ  1m-30cm  P   230-1000MHZ  1.3m-30cm  L   1000-2000MHZ  30-15cm  S   2000-4000MHZ  15-7.5cm  C   4000-8000MHZ  7.5-3.75cm  X   8000-12500MHZ 3.75-2.4cm  Ku  12.5-18GHZ   2.4-1.67cm  K   18-26.6GHZ   1.67-1.13cm  Ka  26.5-40GHZ   1.13-0.75cm ミリ波  40GHZ以上   0.75cm以下
主なSAR衛星 MAGELLAN 1989-5 2.385GHZ HH 13-46度 約15m ALMAZ-1  1991-3 3.0GHZ HH 30-60度 15-30m SIR-C 1993,1994,1996 1.25,5.3,9.6GHZ HH,VV,HV,VH 15-55度 10-25m RADARSAT 1994-12 5.3GHZ HH 20-59度 10-100m SEASAT 1978-8 1.28GHZ HH 20度 25m ERS-1 1991-7 5.3GHZ VV 20度 30m JERS-1 1992-2 1.28GHZ HH 35度 18m
SLRの長所 全天候性 昼夜観測 能動方式としてセンサパラメータ選択の自在性 地形の強調効果 砂層、植生への透過性 多重パラメータデータによる相乗効果/総合解析 ポラリメトリィによる高度情報抽出 可干渉性を利用したインタフェロメトリィによる高さ情報抽出 現在のレーダ衛生 ERS−1(ESA)、ALMAZ(ソ連)、RADARSAT(カナダ) 地質資源探査 地質利用、環境、防災、土木地質利用は活発ではない 地質資源探査分野におけるSLRの応用 地質構造と岩石分類、LOGISTICS 光学センサの補助的な立場 LOGISTICSの例 熱帯雨林におけるボーリング作業用適地選定(器材運搬等・・) 湿地帯、密林における地質探査(伐採計画等) 氷海におけるオイルリグ稼動の効率化、流氷モニタリング 暴風雨頻発海域におけるオイルリグ稼動の安全対策
地形地質構造関連 リニアメント、水系、比高、勾配 岩石分類 テキスチュア、地表面の粗さ、誘電率 ラフネス(Roughness) 微視的な領域での反射、散乱特性 テクスチュア・・・幾何学的情報から岩石分類につなげる リニアメント解析に際しての方向性、照射方向による非等方性(山口効果) Z方向の定量性は弱い 媒質の透過性 砂漠のある限定条件下で生ずる現象。一般化は困難。 植生の透過もみかけよりは複雑なメカニズムで、Lバンド程度では一概に保証できない
89ページ 資源観測解析センターの研究・・Lバンドの樹木の透過特性 導電性のある物質で、電解の大きさが表面の1/eになる(0.3678)深さを 表皮深さδsという。 物質の複素比誘電率が、ε=ε'-jε''のとき表皮深さは δs=(λ/2π)SQRT((2/(μoε'))/SQRT(SQRT(1+(ε''/ε')2)-1) 電力が1/eになる深さを侵入深さという(散乱による損失が無視できるときは 2*δsになる) ε''が小さいほど表皮深さは大きい。水分が増すとε''が大きくなる。(具体的な 計算結果が合わない・・侵入.XLS参照) スーダンの風成層の砂で、比誘電率3.34、表皮深さは焼く1.6m 水分の重量パーセントが2.8%で、表皮深さは焼く1.2mあった。 Lバンド・・・樹木の葉はほとんど透明 幹や太い枝は、透過性を弱める 樹木は平均して、片道5〜10dB減衰 樹木あたりの平均減衰量は、樹林単位面積当たりの胸高断面積の和などと正の 相関をもつ。樹種による特徴的な差異は見られない。  片道5〜10dB減衰があることは、LバンドのSAR画像において、よく 茂った自然林では、樹木下の地表面からの寄与はほとんどないことを意味する。 しかし葉や小枝はかなり透明であるから、まばらな林や小潅木の植生の場合には 地面の寄与がかなり含まれている。 熱帯雨林、湿地帯  樹木の下に水分があるとき、これが一種のコーナレフレクタ作用をするために 水路が検出可能・・・グアテマラのマヤ文化遺跡発見・・Pバンドが期待 L 23.5cm C5.8cm X3.1cm
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ● 岩石の場合 82ページ  岩石は大体3〜8の比誘電率をもつ誘電体である。マイクロ波は、空気と 岩石の境界面で散乱される。散乱される割合は岩石の比誘電率が大きいほど 大きい。  マイクロ波が岩石面に斜めに入射するとき、岩石の表面がでこぼこしていないと 後方散乱は起こらない。  後方散乱の大きさは、粗さと比誘電率が共に効くが、比誘電率が変化する範囲は 小さく、そのために粗さの寄与のほうが圧倒的に大きい。 バンドごとの表面粗さの基準(Peak、Oliver基準) Lバンド(λ=23.5cm) 滑らか 約1.5cm  粗い 約7cm Cバンド(λ=5.8cm) 滑らか 約0.3cm 粗い 約2cm Xバンド(λ=3.1cm) 滑らか 約0.1cm 粗い 約1cm
比誘電率の値 実数部(relative permitivity) 珪酸塩鉱物 Sedimentary silicates 2.5 - 8 Plutonic silicates 5 - 7.5 Volcanic silicates 3.5 - 7.5 carbonates 6.5 - 9.5 0.5-18GHZまでは、周波数によって変化しない 比誘電率の虚数部に関して e"=e"+s/(2paifeo) e"は周波数に依存しない値。sは導電度、fは周波数、eoは、真空の導電率 e"は、周波数によって変化するが、 火山性珪酸塩岩にて、3GHZで約0.1、15GHZで約0.08となりもっとも大きい 地表面のレスポンス マイクロ波と物質の相互作用 後方散乱波  地表面が粗いと電磁波があらゆる方向に散乱する。 植物のような、大きさが波長程度の物体の集まりも、レーダ電波を強く反射する。 後方散乱は、次の2つに分類 ・表面散乱   海面や湿った土壌。強度は主に面の粗さで支配。 ・体積散乱   植物や雪。3次元に広がった空間内部で散乱が起こる。葉や枝、氷の粒子や気泡 などが散乱粒子として働く。  あまり湿っていない土壌では、表面と体積散乱が同時に寄与する。 海氷からの散乱。植物の場合には、低い周波数では地表面からの散乱波が加わる。 後方散乱係数(64page)      送信電力   アンテナ面積^2*後方散乱係数 受信電力=−−−−S( −−−−−−−−−−−−−−dS)      4πλ^2      距離^4 σo 単位面積あたりの後方散乱断面積、次元はm^2/m^2 σo
受信電波は多数の散乱点からの散乱波の和(電界の和)である。散乱点はランダム に散らばっているので、散乱波の各成分の位相はランダムな値をとる。そのため、 それらの和になる受信信号は確立変数の性質を持つことになる。  たとえば統計的に均質とみなせる散乱面を、アンテナ位置を変えて測定していく と散乱電力は大きく変動する。しかしその際、散乱電力の平均値は安定した値をと り、散乱面の性質を反映する物理的に意味のある量になる。σoは、受信電力の期 待値に対応させて定義している。  受信散乱電力の確率密度関数は、指数関数に従う。指数分布では、標準偏差と 平均値が等しい。ゆらぎが大きい。σoを精度よく求めるには、均質な散乱面を 対象に、多数の独立の測定を行う必要がある。    後方散乱係数のゆらぎ=スペックル。 追記・・・福田、廣澤、ウェーブレットを用いた合成開口レーダのスペックル低減、  電子情報通信学会論文誌 AVol.J79-A No.12 pp.1994-2001 1996年12月  スペックルとその統計的性質 SAR画像におけるパワーzの確率密度分布は     1  − z P(z)=−−exp(−−)     z'   z' ここでz'は、パワー期待値。この標準偏差は期待値z'に等しく、大きいパワーの ゆらぎ(specle)を生ずる。 マルチルック処理。N枚の独立な撮像画像の平均化(Nルック)であり、これにより P(z)は、次のガンマ分布に従う。     NN  − Nz P(z)=−−−exp(−−−)    Γ(N)z'   z' マルチルック処理後のパワーの期待値は、原画像のそれに等しく、標準偏差のみが 1/SQRT(N)となる。しかしながら、空間分解能セルは画像のN倍となるために、4 ルック程度までが現実的だ。 −−−−−−−−−以下略−−−−−−−−−−−
追加 78ページ  指数分布する確率変数の平均値を、たとえば1dBの精度で推定するには 約200個の独立サンプルを必要とする。3ルックなら(レベル2.1)、 この1/3でよく、約70サンプル。 追加194ページ  この雑音は、統計モデルとしては乗法性(Multiplicative)の性格をもち、加法性の熱雑音と違って、局所領域のパワーに比例したゆらぎ、ごま塩状の斑点を画像に現す。コントラストの弱い一様な分布の対象域でとりわけ目立つ。  スペックル雑音の低減法は大別して2つある。ひとつは空間的なマルチルック加算。 雑音レベルがルック数Nの平方根に比例して低下するが、アジマス方向の空間分解能が、 1/Nになってしまう。  もうひとつは1ルック画像用フィルタ。画像上、エッジ保存の性質があることから、エッジ保存フィルタを使う。Leeの統計フィルタとSigmaフィルタ、Frostのアルゴリズム等。Loacl Adaptiveがその基礎になっている。 河川と通路は・・・平均フィルタが適 山地・・・メディアン・フィルタ 山麓斜面、岩質・・・V−2フィルタ 後方散乱係数は、波長、入射角、偏波の関数である。 水平偏波H 垂直偏波Vの送信・受信にたいして、 HH、VV,HV,VHの4種類がある。 HHとVVはlike偏波 HVとVHはcross偏波と呼ぶ crossで電波受信できることは、散乱波が楕円偏波になっていることを示す。ただし 電力は圧倒的に小さい。後方散乱においてクロス偏波成分が発生することを、 Depolarizationという。
表面散乱について 電気的性質 複素比誘電率ε=ε'-jε" ε'は比誘電率そのもの ε"は導電率に比例する。通常はε'>>ε"である。一般にε が増すと散乱される電力が増える。  面の粗さ・・・レーリーの基準(Rayleigh's criterion) 波長をλ、入射角をθとして ho=λ/(8cosθ) と置き、地面のでこぼこの高さの標準偏差hが、hhoのとき 粗いとする。ちなみにJERS-1では、ho=4cmである。 上の計算では5.12cm?・・・ PeakeとOliverによる基準というものもある。 JERS-1ではそれぞれ1.3cm、7.3cm である。  入射角が0度から20度ぐらいまで・・・擬鏡面散乱(quasi-specular scattering)モデル  ほとんど垂直に電波が入るとき、後方散乱波は、レーダ方向を向いた微小面素からの 鏡面反射の和と考える。   ・・フレネル反射係数  散乱波は入射波と同じ偏波ではねかえり、デポラリゼーションは生じない(と考える) 入射角が30度を越えると、鏡面反射成分はほとんどなくなる。しかし後方散乱はあり、Bragg散乱によるものである。Rice-Braggモデル。 図2-21 ΔL=(2π/k)Sinθであり、2ΔL=λ(=2π/ko)の時に共鳴散乱が生ずる。 波数koの入射マイクロ波に大してBragg共鳴現象 k=2kosinθ をみたすパワースペクトル成分W(k,0)は必ず存在する。 (どういうことか?意味がわからない・・・) 計算では、θ=55度として、ΔL=5.1468cm。2*ΔL=10.3cm. 10.3*sin(55度)=8.43cm、16.8cm、25.3、33.72cmの寸法で共鳴するはず。 鏡面反射からブラッグ散乱モデル・・湿った土壌や波のたった水面で観測される。 しかし表面が極端に粗い場合には、以上のような単純なモデルで説明はできない。 局所的な斜面による反射や、多重反射も加わる。デポラリゼーションも発生する。 現在、後方散乱係数を、任意の粗さについて定量的に記述する理論モデルがない。
土壌と海面からの散乱  土壌の誘電率は水分量により大きく変わる。そのためにσoも水分によって変わる。 また湿った土壌は導電性をもつために、内部に侵入したマイクロ波はある深さまでしか 到達しない。侵入深さまでの層が均質とみなせるとき、後方散乱は表面散乱だけで ある。  土壌水分推定には5GHZ付近、入射角10〜20度が最適。このときには表面の 粗さと植物の影響を最も受けないことが知られている。 ε'の土壌水分との関係    0のとき約2.5、水分含有0.2で10へ変化 ε"  0のときは0、0.2で0.1ぐらい。 雪からの散乱 ドライスノーの雪の厚さが58cm。1.6や2.6GHZでは 雪を透過して土壌表面からの散乱だけできまっている。周波数があがると、雪から の散乱成分が増えてくる。
森林リモートセンシングへの活用 ・樹林地の細区分  LとCバンドの後方散乱係数は、地上のバイオマス密度の差異を現していると考えられている。両方のバンドで森林を観測し、2つの画像の組み合わせで、植生地の状況をより詳細にとらえることができると考えられている。 ・後方散乱の季節変化  樹冠部や葉や枝の伸長と植生の電磁特性の変動により季節変化がある。林地の状況にも影響される。たとえば赤松林では、夏にPとLでは減少が見られるが、Cバンドでは上昇する。これらの違いは樹冠層の発達が長波長では透過率を減少させることになり、短波長での散乱が一層顕著になることによると考えられている。  一方、落葉広葉樹では、開葉と幹や枝の電磁特性の変化のために、いずれの周波数でも後方散乱係数が減少する。この減少傾向は波長が長いほど大きい。 ・葉の成長と落葉の影響  LバンドやCバンドのような長い波長では、葉をつけていない木からの後方散乱係数のほうが、葉をつけた木からの後方散乱係数より大きい。このことから落葉広葉樹の識別への適用が考えられる。開葉以前は森林は明るく見え、急速に葉をつける春の時期には、後方散乱係数が低下する。その後、初夏には樹木の各部の成長に伴って明るさが増加し、秋から冬にかけていくぶん低下する。 ・林地と草地  長波長の後方散乱は、林のような植生のところ(たとえば森林、かん木地)で強く、草本のような植生のところ(たとえば草地や野菜畑)で小さい。Lバンドではこれらの識別能力が最も高い。 ・雨の影響  雨の直後の草地では、JPL・AIRSARの場合、P,L,CバンドのHH偏波でそれぞれ1.5、3.5、4dB程度上昇したが、これらの相違はバイオマスが大きい植生ほど小さい傾向が見られる。樹林では、P,L,CバンドHH偏波で、それぞれ0、1〜2dB、2〜3dBの上昇になった。
森林におけるSARデータ解析のためのモデル(266ページ) a.Simonettモデル(1986)  針葉樹林に対するモデル (1)葉からの散乱 (2)表層土壌から直接の散乱 (3)幹と地表で反射して帰ってきた反射 (4)植生から地表への前方散乱を通してセンザに戻ってきた反射  LバンドHH用に開発。このモデルによるシミュレーションの結果、幹の因子が森林の後方散乱に最も大きな影響を与えることがわかった。  波長が短くなると、これらの4因子の影響は著しく異なる。 b.Ulabyモデル(1986)  5つの林分構成因子 (1)土壌表層からの直接表面散乱 (2)葉や小枝からの散乱 (3)幹や大きな枝からの直接表面散乱 (4)土壌表層散乱と葉の散乱の相互作用 (5)土壌表層散乱と樹冠散乱の相互作用  葉から土壌表面への方向とその逆方向での散乱、葉から幹への方向とその逆方向での散乱ならびに土壌と幹の間の相互作用もLバンドのような波長の長いバンドで著しい。 特に土壌が湿っていたり、冠水している森林ではこれらが重要である。 c.その他のモデル  MIMCSモデル(Michigan Microwave Canopy Scattering Model)・・・EOSプロジェクト研究で開発されたモデル。これを発展させて、樹冠部と幹部及び地表の層を考慮した多重モデルも発表されている。それによると、林床の落葉は弱い吸収因子となるにすぎず、散乱は枝や水の存在を強く受けることなどが報告されている。
SARを用いた森林型分類 a.森林型分類のための前処理  スペックルノイズ除去フィルター b.林型判別精度とバンド  PバンドがL、Cバンドよりも林型の識別能力が高い。マルチ偏波の利用が有効で、ブナ、ナラ、松等の判別が明確に行えた。樹冠部におけるレーダ波の透過性が高いほど、その識別能力が高い。 地質判読の基礎  Basic Geomorphologic Factors ●Mesa、Butte   石灰岩、砂岩などがキャップロック、泥質岩の上に乗り、台状−塔の形を作る ●Cuesta   キャップロックが10-15度に緩く傾斜し、下部の泥岩を保護する   ディップスロープ、ケスタスカーブ ●Flatiron   侵食抵抗性の強い基盤の上盤の地層群が侵食されて一部残る。板を立て掛けたような形を呈する。 ●Hogback  泥質岩が侵食されていく過程で狭在する石灰岩、砂岩が骨のような形で突出する
254ページ 6.3農業利用 1972年のLANDSATによる同時・広域性・反復性・即時性・高分解能による多大な情報。 農業分野では、作目の判読、作付け面積の把握、現存量や収量の推定、水分養分病害虫等の要因解析。土壌水分や腐食量の計測。  しかしながら、マイクロ波センサに関しては、日本では基礎データが十分蓄積されていない。 ●SARデータと農業パラメータの特徴  繁茂した農作物からのレーダ後方散乱は、一般に ・草冠からの直接後方散乱 ・植物内部で生じる体積散乱 ・植被を透過し地表面からの直接後方散乱 ・地表面と植生との間の多重反射 の4つで構成されている。 これらの要素構成の割合は、生育段階や栽培管理の状態に応じて変化する。たとえば葉面積の展開が不十分な幼苗期や生育末期には、地表面からの直接後方散乱の要素が大きく、反対に十分繁茂した作物圃場では草冠反射と体積散乱が主体になると考えられる。 波長:現在、農業分野で用いられているのはX,C,Lバンドである。Xバンドは、草冠後方散乱が選られるが、植被内部の構造やその下の地面情報はほとんど得られない。 Lバンドでは、植被を透過し、地表面からの直接的な後方散乱も得ることが可能である。このため作物種の判別には不適であるが、土壌表面の凸凹、土壌水分などを推定できると期待されている。 偏波:基礎データはほとんどない。 入射角:入射角が大きいと、植被内を透過する距離が長くなり、それだけ減衰も大きくなる。土壌表面までなかなか到達しないため、後方散乱は主に植生表面の散乱と体積散乱によって構成されることになる。一方入射角が小さいと、植被を透過したレーダはただちに土壌表面に到達し、直接的に後方散乱となる。土壌水分検出には入射角が小さい方が好ましい。 ルック方向:ルック方向との共鳴で、独特な幾何学模様が現れる。 農業が必要とする情報  作物情報:量的な情報として、バイオマス、収量、水分量、葉面積指数、植被率、養分(N,P,K、クロロフィル)量など。  質的な情報としては、作物種、生育ステージ、障害(水分、養分、気象、病害虫によるもの)、作物活性、成熟度、品質など。 土壌情報:土壌水分、土性、土壌成分、土壌有機物含量、酸性度、礫含有量など。  以上の要求にたいして、SARでは次の項目を取得する。  植被不異聞、葉身角度、茎(幹)の分布、茎・枝の大きさと空間分布、各器官別のバイオマス、葉緑葉面積指数、土壌水分。
農業利用研究の現状 Cihlar(1986)カナダにおける航空機SAR画像利用 ●作物種判読 (1) 作物種判読にはマルチバンドデータが有利。(2)広葉型作物は判読効率が高い。イネ科の穀物は誤判読が多い。(3)判読効率は場所やデータ所得日によって大きく変動する。(4)SARデータは光学データとは異質の情報を提供する。  波長については、(1)全般的にはXバンドが作物種の判読に良好。Lバンドは休耕地と広葉型作物を区別するのに有効である。(2)Lバンドは畝方向に強く反応する。 ●バイオマス推定 NIMBUS7/SMMRの37GHZ帯。空間分解能や測定精度の面で農業には適用できない。航空機SARでも誤差が大きい。マイクロ波で植被率を捉え、植被率の変化から求めた作物の成長率の累積値でバイオマスを間接的に推定する。(Bouman、Goudriaan1989) ●土壌水分の推定  Lバンドを利用。Wang(1989)NASAC130のLバンドSARにて、2つの流域の土壌が大雨の後に乾燥していく過程を測定し図化している。 Wang,J.R,et al., Mapping Surface Soil Moisture with L-Band Radiometric Measurements:Remote Sens. Environ., Vol.27,pp.305-312,1989. しかしBrucklerらは、裸地を4.5GHZマイクロ波(HH偏波、入射角15-20度)で計測し、後方散乱係数と容積水分含有量の間に高い相関を認めている。
SARの防災分野での利用 a.災害を引き起こす異常な自然現象の予知・予測及び監視 b.災害発生状況の把握 c.災害発生危険度の評価とその地図化 災害は異常な自然現象と、自然的・人為的な地域への環境条件の中で発生する。前者を簡略的に誘因、後者を自然的及び人為的素因と呼んでいる。  災害の発生は一般的には急激であり、災害への対応も迅速でなければならない。誘因の発生を予知・予測し、監視するためには、時間的に頻度の高い観測を必要とする。また災害発生後の救援活動を行うためには、適時的確な災害発生状況の把握が不可欠である。  利用可能性 ●洪水災害  LバンドSARの全天候性の期待。水域は輝度が低いので、容易に洪水氾濫域の検出ができる。大規模河川の下流域への洪水予報。 ●地すべり等の土砂災害  一般に衛星データの空間分解能では詳細検出は困難。災害発生個所の検出は、2画素サイズ以上の規模でなければ検出できないと見られてきた。  SAR映像は、斜面に関して、斜面と照射方向及びルック角の相対的関係や空間分解能により利用可能性が制限される。  可能性の大きいものとして、規模の大きいクリープ性の地すべり監視が期待される。クリープ性地すべりは、一般に規模が大きく地形の変動が緩慢にあるいは周期的に変動し進行する。変動量速度の増大傾向が検出されれば、崩壊時期の予測の可能性も期待できる。一方、既往の地すべり地形の検出は、SARを用いた場合にはより鮮明に滑落崖や下部の土砂堆積形状等の地すべり地形の全体を識別できることが期待され、特に大規模のもの及び雲被覆の多い山岳地で有効。  地形について、傾斜度や斜面構成、地質については褶曲構造、層序、断層及び破砕帯、地下水に関して土壌水分条件が検出可能。 ●火山災害  火山噴煙におおわれている場合、雲に被覆されている雪氷を伴った活動監視。粘性の高い安山岩質・流紋岩質の火山では、火砕流や火山体崩壊等の災害を引き起こす。火山噴出物の特性や火口及び火山全体の形状と特質を解明できる期待。 ●地震災害  長期地震予知の観点から、リニアメントとその異常性の検出は、活断層の存在とその活動度を地上調査等により確定するための前提として重要。
NRCSの代表例(平成4年度地球観測センター成果報告書、宇宙開発事業団) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 領域   NRCS 富士山麓 -11 〜 -7dB 山中湖  -18 〜 -15dB 富士裾野荒地 -16 〜 -12dB 富士山頂 -22 〜 -10dB 近隣の山脈 -14 〜 -8dB 海域 -18 〜 -14dB アマゾンの森林 -12 〜 -9dB アマゾン森林伐採地 -16 〜 -13dB 砂漠(デスバレー) -22 〜 -15dB 砂漠(フローム湖) -23 〜 -18dB 流氷 -19 〜 -16dB ナポリ -16 〜 -11dB ニューヨーク -16 〜 -5dB (AD変換の理論的雑音は-20.5dBで、砂漠の結果はそれより小さい?)